本記事のゴール
キャリアアップのためだったり、実際に仕事で使っている等の理由で、英語力を上げたい!という人は多いと思います。海外で就職したり、グローバル MBA に参加しようと思うと、相当レベルの英語力が求められます。一方で、英語をマスターするには約 3,000 時間もかかる等も聞かれるので、効率良く英語学習を進めたいところです。筆者の感覚では、この学習時間を劇的に減らすような近道はないが、適切な学習方法を採ることによって 1,500~2,200 時間くらいには減らせると考えています。
本記事では筆者の体験談をもとに、語学留学や英会話学校に入ることなく独学のみで、海外就職レベルの英語を身につける方法をご紹介します。まずは英語力をステージごとにわけ、それぞれのステージごとに、筆者が考える効率的な英語学習方法をご紹介したいと思います。
CEFR: 英語力のステージ定義
本記事では英語力のステージの定義に、CEFR を使います。
CEFR の日本人平均は B1 という記事も見当たりますが、これはあくまで TOEIC を頻繁に受ける英語への意識が高い人の中でのものです。ですので、英語を使う機会があればまずはこの B1 が最初のマイルストーンかな、と思います。この B1 ですが自身の得意領域、身近な話題であれば対処可能、と定義されており、感覚的にはある程度複雑な文章まで口頭で作れるものの、自信をもって 1:1 のコミュニケーションはできないレベルかと思います。仕事で不定期に、日本人チームと英語圏のチームに分かれて打ち合わせがある (つまり、先方が英語の得意でない日本人を前提としてくれている) レベルであれば、この英語力で十分かと思います。
一方、外資系企業に勤めていて、他のロケーションのメンバーと打ち合わせが定期的にある等、上記の設定の打ち合わせが継続的にあるようであれば、B2 (自身の専門分野の範囲内であれば話題の抽象性、具体性に関わらず複雑な文章のやり取りができる) のレベルまで上げたいところです。このレベルになって、ようやく 1:1 であれば緊張せず流暢に話せるようになる感覚です。
本格的に英語圏で仕事をする、英語でグループディスカッションをする必要がある場合、C1 (自身の専門分野外でも会話ができる) のレベルが必要になります。別途触れますが、2023 年 10 月時点で筆者はとあるビジネススクールのグローバル MBA のプログラムに参加していますが、このような海外の大学のプログラムに参加、もしくは英語学習目的外での留学や海外での就職においてはこの C1 のレベルが求められます。
C2 (ほぼ不自由なく言語を使いこなすことができる) については、筆者もこのレベルには達しておりませんし、おそらく海外での英語を使った生活が XX 年、といったことが前提になってくる気もしますので、このレベルは本記事ではサポートしません。
各ステージ到達に向けて目指すべき英語テストのスコア
それでは、さきほどの CEFR をどう計測するかですが、各種公式団体による英語テスト (有名どころで英検、IELTS、TOEFL iBT、TOEIC/TOEIC S&W) でマッピングできます。Google 検索していただければ、CEFR のレベルと各種英語テストのマッピングは色々出てきますが、かなりブレがあります。これは国によって英語学習のスタイルが異なり、Listening, Reading, Speaking, Writing のバランス感が違うためかと思います。ただ日本人的な感覚でいえば、文部科学省がまとめてくれた対照表が筆者は一番しっくり来ました。
この対照表をつかって、具体的に B1/B2/C1 としてどの英語テストをつかってどこを目指すのか、ざっくり示したいと思います。ちなみに皆様におかれては勤めている会社で資格奨励がある、大学で指定された英語テストがある等個別の事情があると思いますので、適宜カスタマイズいただければと思います。
| CEFR レベル | 英語テスト | 目標スコア |
|---|---|---|
| B1 | TOEIC | L&R: 700(, S&W: 280) |
| B2 | TOEIC | L&R: 900(, S&W:350) |
| C1 | TOEFL iBT | 100 |
| IELTS | 7.5 |
TOEIC は日本人の間ではよく知られた英語テストかと思います。主にビジネスシーンにフォーカスした英語が出てくるため、実践的であるのも特徴的です。なお、S&W は括弧、オプションとしています。この意図ですが、海外就職や MBA を目的として C1 を最初からねらいに行く場合は、C1 の英語テストで Speaking, Writing は評価されるため、後述するインプット仮説に基づいて後回しでいいと考えたため、TOEIC のスコアについては多くのケースで L&R のみ求められるため、になります。
B1, B2 向け英語テストとしては、実は英検もおすすめにはなります。その際、文部科学省の対照表によれば B1 相当が英検 2 級、B2 相当が英検準 1 級です。内容が非常に学術よりであり、そのためかビジネスの機関が英検を要件として求めてくるケースは多くないように感じるので、英検を極めていくこと自体は実用的でない部分もありますが、日本での英語教育のカリキュラムに準拠しており、Speaking, Writing もカバーされているので、実力の測定としては十分に有用かと思います。
C1 を目指す際は、TOEFL iBT や IELTS に切り替えていただくのがいいと思います。そもそもこのレベルのスコアを取ろうとなるとどれか一つでも苦労するため、多くのグローバルプログラムで英語テストとして認知されているのがこの 2 つで、スコア取得を意味のあるものにしたい、という意図からです。
(参考) 筆者のステージの変遷
あくまで参考として、筆者の英語力がどのように変遷していったのかをここでシェアします。
まず大学卒業直後は、やはり CEFR B1 もありませんでした。初めて受けた TOEIC L&R のスコアも 520 で、CEFR でいうところの A2 相当だったと思います。なんとか海外旅行が行ける程度。
英語学習の経歴でいうと、厳密にはわからないですがトータルで言えば 10 年弱は勉強しているかもしれません。今から振り返ると非効率な学習も多くあったように思います。ですので本記事はその反省の産物と言えます。加えて、日本人あるあるではあるのですが継続して Listening (+Speaking) がずっと苦手でした。今も得意意識はないかもしれません。
2016 年に、TOEIC L&R で 900 点を取ることができました。ただ当時は Listening と Reading の学習しかしてませんでした。
TOEIC L&R が 900 あったので、英語は大丈夫だろうと高を括って、外資系企業の英語面接を受けたのですが、全く喋ることができず、一次で落ちました。ここで初めて、Speaking の大切さに気付かされました。
その後、オンライン英会話で英語を勉強し、英語の面接もパスして、転職に成功します。

現在、IE Business School の Executive MBA English というグローバル MBA のプログラムに参加しているのですが、英語の要件に TOEFL iBT 最低 95 とあったので、スコア 98 を取得、MyBest Score は 101 (CEFR C1 相当) が現時点の筆者の実力値です。
効率的な英語学習の全体方針
さて、ここから具体的な方法論に入っていきます。ここでの方法論は、筆者なりに調べた理論と実践・経験に基づいております。ここでシェアする方法論をカスタマイズしていただけるように、ベースになっている理論について予め共有しておきたいと思います。
理論としては、第二言語習得論に基づいています。いくつかの仮説はあるのですが、特に一般的である「インプット仮説」をベースにしています。このインプット仮説では、言語習得においてまずは Listening, Reading によるインプットからスタートすべきであり、さらに「i+1」と呼ばれる、現状使いこなせる英語レベルよりも一段難易度が高いものをインプットしていくのが効率的、とされています。まずインプットスタートの点でいうと、英語力強化のためには、Listening, Reading 力につながる、テキストを用いた座学は必須であることがわかります。また「i+1」ですが、Listening の練習の実践で言えば、Nation が多読のコンテキストで指摘しているのと同様、目安全体の 98% の単語がわかる程度が望ましいかな、と思います。そうすればわからない単語の意味も周辺から類推して学習できると思いますので Vocabulary 獲得にもつながります。なお、第二言語習得論に関心があれば、ぜひ下記の本を読んでみてください。
別の観点として、Atsueigo でおなじみ ATSU さんが英語学習の要素を「文法」「発音」「単語」に分解してくれている点は非常に参考になると思います。また、継続的にオンライン英会話を続けてアウトプットの機会を持つことで、Speaking に慣れる、学習した要素を応用できるように定着させる(Acquisition と言います) 必要がある点も指摘しています。加えて 1 日の必要な学習時間 5 時間という指摘も、英語学習の合計時間が 1,500 時間だったとしても 300 日かかるわけなので、1 年で勉強を終わらせるという観点では全面的に同意できます。
Listening 力強化のためのリプロダクション
筆者は Listening が苦手だったのですが、克服した方法について共有したいと思います。
まず、Listening という行為は分解すると、「音声解釈」「意味解釈」「記憶」という 3 つのステップに分解できると思います。「音声解釈」は筆者含め多くの日本人が苦手なポイントで、発音された英語から、辞書に項目がある、具体的な英語のワードに落としていく作業になります。つまりこの時点で発音された英語が、頭の中で読むことのできるテキストになっているイメージです。「意味解釈」は、その頭の中のテキストが何を意味しているのか理解する工程で、話し言葉は当然のことながら流れていくため、ここで逐次日本語訳していると追いつきません。ですので、単語や文法を含め、英語の意味を英語のまま理解する能力がここで求められます。そして、あえて「記憶」の工程を付け加えました。これはそれまで 2 ステップにて発音された英語からくみとった意味を頭に短期記憶する工程で、会話でも話された内容を常に記憶してコンテキストにしていくので、これも必須のスキルになります。ただ、英語に不慣れな状況ですと「音声解釈」「意味解釈」に脳の容量が持っていかれてしまい、本「記憶」の工程がおろそかになってしまいがちです。
さきほど、多くの日本人が英語の「音声解釈」が苦手だ、とお伝えしました。これが英語の Listening 学習のわなで、「音声解釈」ばかり意識してそこにばかりフォーカスした学習方法を取ると、Listening 力が伸び悩むことになります。
「音声解釈」「意味解釈」「記憶」の 3 つの工程をまとめて強化できるトレーニング方法に、リプロダクションがあります。筆者は Listening 学習にシャドーイングでもなければディクテーションでもなく、このリプロダクションを強くおすすめしたいと思います。
リプロダクションですが、ワンセンテンスぐらいの塊の英語を聴いて、発音されたとおりに口頭で復元してみる、という練習方法になります。「音声解釈」の練習方法として、シャドーイングがよく推奨される点に実際にアウトプットしてみて定着させることができる、みたいなことを聞いたことがある方も多いと思いますが、リプロダクションにもこの要素は含まれます。また、リプロダクションではある程度まとまった英語をいったん記憶した上で英語を復元することになるので、「記憶」の工程が含まれることになります。で、その 2 つの間の工程である「意味解釈」が、リプロダクションをうまく進めるのに重要な役割を果たします。つまり、「音声解釈」で言えば実は英語は発音の変化等もありすべての単語が辞書どおりに発音されるわけではなく、特に前置詞や助動詞の類はほぼ発音されないケースもあるので、「意味解釈」の工程を意識することにより入るべき前置詞、助動詞を予測することができるようになります。また、「意味解釈」して英語を理解できているはずなので、「記憶」が容易になります。
リプロダクションの具体的なやり方を記します。
- ワンセンテンスぐらいの塊の英語を聴く(このとき、スクリプトは隠す)
- 発音されたとおりに発音してみる。ここでは単語が復元できているのはもちろんのこと、発音のスピードやリズム、強弱に至るまで完全に復元するよう意識して練習する。完全に復元できるまで、同じ英語を聴く→発音する、の繰り返し。できれば発音した英語は録音しておく。
- 完全に復元できたと思ったら、スクリプトで復元した単語のチェック。前置詞等の弱い発音の単語も含めて、復元できているかチェック。
- 発音した英語を録音していたら、その録音も聞いてみてチェック。
筆者はシャドーイング (発音された英語の跡を追う用に発音する)、ディクテーション (ワンセンテンス英語を聴いて書き出す) も試しましたが、リプロダクションが一番しっくり来ました。シャドーイングは「音声解釈」にフォーカスされがちで、かつ発音が間違ってもごまかしがちになること、ディクテーションは自分で発音しないので「音声解釈」のスキルが上がりづらい、という気付きがありました。
Vacabulary を効率良く増やす方法
Vacabulary の多さは、喋られる英語のバリエーションにも直結するので、非常に重要です。ですが、一朝一夕に何万語もの英単語を記憶していきなり使いこなせるようになるかというと、そういうものではないと思います。
したがって、継続的に単語学習も進めていく必要がありますが、毎日根気よく、またある程度のボリューム感を持って継続する必要があります。
効率良く記憶し、使いこなせるようにするために、私の場合受けるべき英語テストの単語帳を購入して、日々英語発音→日本語意味を隠して日本語意味を当てる、という簡単な作業を 1,000 単語ぐらいに毎日行う、というものをやっていました。当然この量をやるので単語帳をあっという間に 1 周してしまうことになるので、繰り返し行うことになります。ちなみに細かいですが、既に知っている単語はチェックかなにかをつけて、スキップする工夫は必要です。
ここでのポイントは「1 日に多量の単語をこなし何度も 1 つの単語をチェックする機会を設ける」「英語テストに即した単語帳を買い、英語テストで学んだ単語を使う機会を設ける」の 2 点です。前者については、エビングハウスの忘却曲線仮説で示されているように、何度も復習することが記憶に定着する方法であることが知られているためです。また、後者については、アウトプットの機会を持つことが定着の重要な要素であり (Acquisition)、英語テストに即した単語帳を学習して学んだ単語を英語テストで活かすことがねらいになっています。
よく、英単語を覚える方法としてその単語を使った英作文をする方法が提げられることがありますが、筆者の場合うまくいきませんでした。この方法のねらいは Acquisition だと思うのですが、1 単語にかける時間が長くなりすぎてしまい、繰り返しの回数が減ってしまう点が、筆者の場合うまくいかなかったポイントになります。
あと、Vocabulary を測定するための方法もお伝えしておきます。Preply の vocabulary test を使って、都度ご自身の vocabulary の現在地を確認いただくことをおすすめします。参考までに筆者の vocabulary test の結果を貼っておきます。バリバリ英語を勉強していた時期から少し離れての測定なので、若干最盛期より少ない可能性がある、と言い訳をしておきます笑。
なお、実際にどの英単語帳を使うかは、以降のセッションでお伝えします。
英会話
アウトプットの目的で、英会話サービスの利用をおすすめします。
あくまでアウトプットだけの目的なら、なるべくコスパ良く、たくさんアウトプットできるオンライン英会話サービスが望ましいと思います。筆者も色んなサービスを試したわけではないですが、NativeCamp はおすすめです。月 6,480 円 (2023 年 10 月時点) で、好きな時間に、無制限で授業を受けられます。また講師もレートで選んでいけばほぼはずの講師はおらず、特にフィリピン人講師は発音も聞き取りやすいですし、ホスピタリティの高い方が多いので、おすすめです。気が向いたら他の国の講師を選べば、その国の方のアクセントやカルチャーも学べます。NativeCamp での教材のおすすめは、Daily News です。さまざまなジャンルのニュース記事をトピックに、Listening, pronunciation, free discussion の練習ができます。
もちろん、アウトプット以外に、英会話講師に期待することがある場合は、Berlitz 等の英会話学校を選択してよいと思います。筆者も英語学習自体とは少しそれるコンテキストですが、英語の CV (履歴書) のレビューと面接の練習に Berlitz を利用したことがあります。
CEFR B1 (TOEIC 700) に向けた英語学習
さて、ここから具体的な方法論に入っていきます。
まずは全体的なスケジュールを共有しますね。縦軸が一日にかける時間の量、横軸が経過時間 (月で表現)として左から右に流れる、と見てください。
全体を 3 ヶ月と計画していますが、実際は 2 ヶ月強、場合によっては 2 ヶ月弱で終わらせることが可能だと思います。
最初の 2 週間はインプットの観点で、「文法」を重点的に進め、やりきります。以下の問題集がわかりやすく、また英語ネイティブスピーカーの観点からよく使う基礎的な文法としてまとまっているので、おすすめです。このテキストを、完全に理解するまでやります。ですので、ある程度繰り返し復習は必要になります。
並行して英会話の場を設けます。ここで英会話は前述のとおり NativeCamp を用います。Daily News を使うのであれば、L4~5 の教材を使えば難易度としては丁度かと思います。
次のフェーズでは「単語」を勉強しつつ、英語テストの学習に入ります。
「単語」については、TOEIC の英単語なら鉄板の「金のフレーズ」を使ってみてください。
B1 を目指される方は高校英語マスターというレベルでもないかと思いますので、単語帳としては DUO 3.0 もおすすめしておきます:
合わせて、TOEIC を選択される場合は、公式問題集で対策していきます。
現在問題集は 10 まで出ているみたいです。この公式問題集の進め方ですが、まずは Listening と Reading、本番さながら通しで (時間も計測しながら) やってください。まずは採点し、正否を保管しておきます。
その後、個別の問題にフォーカスしていきます。Listening に最も比重を置いて、いったんこのフェーズであればすべての問題について 1 問 1 問、オーディオとそのスクリプトを使って納得いくまでリプロダクションを行っていきます。Reading については間違った問題を重点的に解いてください。わからなかった文法や単語があった場合はメモを取り、確実に覚えられるようにしてください。読解できなかったポイントや時間が足りなかった問題については、一度自分のペースでゆっくり解き直した上で採点し、改めて何を間違ったか確認します。もし、Listening の全問のリプロダクション、Reading の見直しが完了したら、次のテストに移って同じことを繰り返します。
英検 2 級の場合も考え方はほぼ同様なのですが、Speaking, Writing があるため、まずは上記のように Listening と Reading を強化し、その後に (英会話と別に) Speaking の練習が必要であれば行ってください。
CEFR B2 (TOEIC 900) に向けた英語学習
CEFR B2 取得に向けたスケジュールも共有します。基本的には B1 取得の際のものと同様になります。
「文法」については、CEFR B2 レベルであれば一通りの英文法は押さえておく必要があります。名著であるキク英文法は英文法を一通り網羅しており、かつわかりやすくおすすめです。
「英会話」は B1 と同様です。Daily News の L6~7 の教材を使って学習するのがおすすめです。
B2 の際は、「発音」に関する理論も学習していきます。英語の音声解釈が難しいのは、日本語と子音や母音の体型が異なるのに加えて、発音が変化するため (これを通常、アクセントと呼びます) だと考えられます。下記のテキスト、American Accent Training (AAT) はアメリカ英語のアクセントについてまとめられたもので、マスターすればどう辞書と異なる発音がされるのか、予測できるようになります。
この AAT なのですが、いくつかのバージョンがあって、いったんここでは上記の Audible 版をおすすめしておきます。筆者はペーパーバック版にこだわってしまったのですが、付属のオーディオの取得に苦労しました。ペーパーバックの付属のオーディオの取得先が web サイトだったものの、その web サイトがクローズ済みで、やむなく CD が付属するより古いバージョンのペーパーバックを買ったりしました。本質的にこのテキストは、オーディオを聞きながら発音を練習するためのものであるため、オーディオが確実に入手できそうな Audible 版が望ましいと思います。
なお、AAT は全編英語のテキストになりますので、難しいと感じた場合はこのステージでの学習はスキップして良いように思います。
「単語」については、同じ TOEIC であり B1 と同様です。
英語テスト対策の箇所も前述のとおりです。リプロダクションにて Listening 力を高めることにフォーカスしつつ、Reading のスキルも高めていきます。
CEFR C1 (TOEFL iBT 100/IELTS 7.5) に向けた英語学習
CEFR C1 ですが、B1/B2 とは難易度が段違いです。時間はかなりかかります (スケジュール上は倍の6ヶ月としていますが、9 ヶ月、1 日の学習時間によっては 1 年も?)。
本記事では、TOEFL iBT のケースで話を進めていきます。IELTS も対策としては似たようなものになるとは思います。
まずスケジュールです。
TOEFL iBT でスコア 100 を出すのは難関であり (筆者も単発のスコアでは出せていません)、計画を練らないとそのような高スコアを出すのは困難です。
「文法」、「発音」については CEFR B2 レベル取得の際にやっていればスキップ可能ですが、もし未実施であればぜひやってください。このレベルの英語力だと英語の基礎理論を知っておくことは近道だと考えます。「文法」の学習方法はこちら、「発音」の学習方法はこちらで解説しています。
「英会話」については同様に NativeCamp の Daily News を使います。レベルは L8~9。
「単語」学習については以下の TOEFL 向けの単語帳を使います。3,800 も収録されており、また後半の単語はあまり馴染みのないものも多く含まれると思います。こちらに記載のとおり繰り返し練習することで、マスターしてください。
TOEFL iBT の公式問題集としては、以下の 3 冊が提供されています。
見た目が似ているので、ご注意ください (筆者は違う edition の official guide を 2 冊買ってしまう等間違いました)。
問題集を使っての Listening の強化ですが、考え方としては TOEIC の練習と同じです。ただ、模擬テストの進め方としては、まとめて 4 技能すべてやってしまうとかなり時間がかかると思うので、ひとまず 1 テスト分の Listening (通常 2 つの会話と 3 つの講義、30点満点) だけを解いてみて、そこから 1 設問ずつリプロダクションをしていく流れがいいかと思います。
前半の模擬テストに関する部分ですが、これは本番と同様、メモを取ることをおすすめします。会話の問題だと約 2~3分、講義の問題だと約 4~7分間の英語を聴いて回答することになりますが、メモを取ることで「記憶」のステップが大幅に強化されるためです。筆者の場合、メモを見返すことはほぼないものの、メモを取る方が得点が出ていました。
リプロダクションも慣れないうちは特に時間がかかると思うので、1 テスト分の 模擬テスト + リプロダクションで、目安 5 ~ 7 日間かけて学習するイメージです。
Reading も苦手意識があれば、練習してください。Listening の際と同様で、まずは時間を計測して模擬テストとして点数を出し、その後改めてわからない単語等は調べつつ、時間をかけて復習するのがいいと思います。Reading パートの模擬テストのコツは、大原則として、英語を英語のまま理解することで、とにかくスピーディーに読み進め理解すること、また TOEFL の設問の出し方として、特定のパラグラフにフォーカスした質問が順に出て、最後サマリの問題、という流れですので、最初に全文読むことはせず、質問に該当するパラグラフだけよんで回答、次の設問へ、と進んでいくのが最も効果的かと思っています。
Listening, Reading ともに、まずは安定して 25 点、調子が良ければ 28~30 点ほど取れるところまでこの練習を続けてください。
Listening, Reading の点数が安定してきたら、Speaking の練習に入ります。Speaking の練習の際は、本番相当に準備時間と発言時間を正確に測ること、また録音して自身の英語を聞き改善すること、が練習のポイントになります。とはいっても筆者の場合、Speaking の点数は最高 21 でそれ以上上げることができなかったので、ここは独学にこだわらず、英会話学校を探してみるのも手かもしれません。
ちなみに Speaking はとにかくプレッシャーとの戦いです。ここまで来ているとおそらく相当量英語を勉強されて来ているでしょうから、与えられた制限時間でご自身の英語力が表現しきれないと水の泡になる的な、恐ろしいプレッシャーがかかるはずです。Speaking の練習においては、ひとつにはこのプレッシャーをうまく扱えるようになることをゴールに置いて良い気がします。
Speaking の練習が一区切りしたら、後は残っている過去問をどんどん解いていきます。Reading に苦手意識がなければ、Listening と Speaking の問題だけ練習すれば大丈夫だと思います。
なお、Speaking の練習期間、過去問を解く期間であっても、少しでもいいので毎日 Listening のリプロダクションは進めていただくことをおすすめします。
ちなみに Writing については筆者は特に対策をしませんでした。Integrated writing task と writing for an academic discussion task の 2 部構成で (2023 年 10 月時点)、前者は読んだ article に対する音声の講義があり、reading と listening で得た情報をもとに質問に対して回答する、reading の情報は常に表示されるので、主には listening した結果を writing で表現する問題です。後者は筆者が受験していたころとは別形式の問題ですが、オンラインフォーラム想定で教授と生徒が何度がやりとりをしているので、それに対して意見を述べ議論に貢献する、という内容のもののようです。Writing のポイントは、まずは質問に答えること、より多くの vocabulary を使うように意識すること、といったところかと思います。筆者が受験していたころの後半の問題は independent writing という、個人の経験に基づいて設問に対し自由に回答する形式だったのですが、より長く書く方が得点が出やすい、といった傾向もありました。
上記の学習スケジュールとは別に、テストセンターでの受験も計画した方がいいです。おすすめとしては、1 回目は経験として、目安 2~3 ヶ月目で受験し、テストセンターの雰囲気を知るのがいいと思います (これはスキップ可能)。Listening の途中で、声の大きい他の受験者が speaking を始めてしまってストレスがかかる等、現場に行かないとわからないポイントも多くあると思います。後は上記全体スケジュールの英語テストの過去問を解くフェーズに入って 1 週間ほどしたら、3 回ほどテストセンターでの受験に登録し、そのいずれかのテストで目標スコアを出す、です。ここが本番になります。意図としては TOEFL iBT の受験料が高く節約したいため、試験自体の時間が長く、何度も受けると学習の時間にも悪影響を与えるため、です。
後はテスト受験日は、体調を整えてベストなコンディションで臨んでください。特に寝不足は集中力に大きく悪影響を与えますので、前日はゆっくり寝られるように計画してください。
おわりに
いかがだったでしょうか。英語学習はどんなに効率良く進めたとしても、1,000 時間を超える学習が必要になるスキルです。したがって、ここで記載した内容以外に、いかに一日の中で学習時間を捻出するか、またそれを習慣化できるかも、キーになってきます。Good luck!

